Spotifyがめちゃくちゃストレージを使っていた問題
「ディスクがほとんど一杯です」通知されすぎ問題
最近、Macの右上に
ディスクがほとんど一杯です ストレージを最適化して領域を節約してください。
って通知がやたら来ます。感覚的には5分に1回くらいの頻度です。さすがに煩わしくなってきたので、ストレージを整理し始めました。その過程でSSDを占領しているアプリを発見しました。
Spotifyのキャッシュファイル大きすぎ問題
とりあえず、5GB以上使っているフォルダをリストアップしたら、
/Users/username/Library/Caches/com.spotify.client
が約10GBも占領していました。楽曲の定額ストリーミング配信サービスSpotifyのキャッシュファイルです。 特に、その配下の
/Users/username/Library/Caches/com.spotify.client/Data
が9.58GBも使っているようです。オフライン再生できるようにDLした楽曲がそんなにたくさんあるのかと思ったら、違いました。 DLした楽曲は
/Users/username/Library/Application Support/Spotify/PersistentCache/Storage
に保存されているようで、1.1GBしか使っていません。
じゃあさっきの10GBは何に使っているんだ!と思って、調べてみるといろいろ記事が出てきました。下記は2016年の記事です。
要約すると、「Spotifyが頻繁にストレージにめちゃくちゃ書き込みしまくってる。これじゃあ、俺のハードディスクが壊れちまうよ」ってことらしいです。 今ではこの問題(=たった1時間のうちに何十GB、あるいは何百GBが書き込まれる)は解決されていると書いてあります。
ただ、2019年3月現在もキャッシュが10GB保存されているという現象は起きています。
診断
SpotifyのアプリをMacにインストールして使っている人だけ見てください。iPhoneでしか聴かないという人は関係ありません。 Terminalって何?って人は一番最後の「最後に」を読んでください。
まずは、Terminalを開いて、
du -hs ~/Library/Caches/com.spotify.client/
と打ってEnter押すと
9.8GB /Users/username/Library/Caches/com.spotify.client/
という感じで、左側に使用容量が表示されます。2GB以上使っていたら、以下を読んでキャッシュを削除・制限したほうが良いでしょう。
対処(キャッシュの削除と容量制限)
rm -rf ~/Library/Caches/com.spotify.client/Data
で、Dataというフォルダごと削除してしまいましょう。
あるいは、
/Users/username/Library/Application Support/Spotify/prefs
というファイルを(テキストエディタで)開いて、
storage.size=1024
という1行を最後に追記(してSpotifyを再起動)するだけで、キャシュの容量が1,024MB(1GB)に制限され、超えている分は自動的に削除されます。 こちらの方法は、時間が経っても再度キャッシュを削除する必要がないのでおすすめです。 今回、1,024MBに設定したのは、
快適に Spotify をお楽しみいただくために、デバイス本体に 1GB 以上の空き容量を確保することをおすすめします。
と、 ストレージ情報 - Spotify に書かれていたからです。
念の為、
du -hs ~/Library/Caches/com.spotify.client/
で確かめてみると、
1.2 GB /Users/username/Library/Caches/com.spotify.client/
という感じで、キャッシュが削除されている事がわかります。
Solved: How to limit cache size? - The Spotify Community
最後に
これまでの説明がよくわからないという人向けのキャッシュを制限&削除する呪文
アプリケーション>ユーティリティ>ターミナルを開いて、白い(または黒い)画面が出てきて文字が打てるようになったら、
echo "storage.size=1024" >> Library/Application\ Support/Spotify/prefs
をコピペして、Enterを押すだけです。prefsというファイルに「storage.size=1024」という文字を追加する、というコマンドです。
この記事を読んで、キャッシュを削除したくなったけどやり方がわからないという人はコメント下さい。一人でもいらっしゃったら、画像付きでもう少し易しく説明します。
三宅精一を称える点字ブロックDoodleのデザインの謎
Doodleは、
祝日や記念日、有名な画家や先駆者、科学者の生誕などを祝うため、斬新で楽しく、また時には自由な手法で Google のロゴ マークをアレンジしたものです。 (Google Doodlesより引用)
たまにGoogleの検索画面のロゴマークが普段と違うときがありますが、そのいつもと違うアレンジをDoodleといいます。
2019年3月18日(月)のDoodleは点字ブロックの発明者三宅精一を称えるデザインになっています。普段目にする黄色の点字ブロックのドットの色を変えることでGoogleという文字を表現しているのですが、よくよく見てみると不思議な点があります。ブロックの1マスは5x5の点で構成されています。素直に考えると、1マスに付き1文字ずつ「G」から「E」まで表せばいいのですが、実際のデザインは、マス目を飛び出して(左に1列ずれて、上に1行拡大)います。1文字に使われる点が5x6となっているせいで、Eがいびつになってしまっているのがわかると思います。
Doodleを解説している公式ページの説明に載っている 2枚のドラフトでは、1マスにつき1文字ずつ当てはめられたデザインが使われています。
このことから、はじめは1マスにつき1文字表していたと予想されます。意図的にずらしたことは間違いないのですが、一体なぜなんでしょうか。
仮説1
1マス1文字だと、溶け込み過ぎて文字だと認識しにくいから。ドラフトの「GOOGLE」の文字をみると(色が塗られてないとはいえ)、収まりが良すぎて、文字があまり目立っていません。一方、本デザインは、マス目からずれていて、しかも縦に1行伸びている分文字が見やすくなっています。
仮説2
単なるミス。これは99.9999%ありえないでしょう。ドラフトの段階で1マス1文字だったものを不自然に変えたことに気づかない訳がないです。
仮説1以外考えられませんが、別の理由がある or 真相を知っている方がいたら教えてください。
石原さとみの東京メトロの広告が究極にかわいい
朝夕の満員電車に揺られながら毎日疲弊していますが、唯一の救いが東京メトロの石原さとみさんの広告です。 これがなければ、家に引きこもっていたに違いないので、私にとっては神様のような存在です。
いっぱいある映像もポスターどれも全部最強なのですが、 その中でも特に見ていただきたいのが、丸ノ内線茗荷谷(みょうがだに)駅のポスターです。
可愛いと綺麗のパラメータが振り切れてる、最高の写真です。 ここで、壁紙もダウンロードできるのでぜひ御覧ください。
長い間、石原さとみさんを起用し続けてくださっている担当の方、 そして、東京メトロさん、いつもありがとうございます。
ちなみに、「findmy.tokyo」は.tokyoドメインの世界一正しい使い方だと思います。
JASRAC 職員の1日のスケジュールがまるで借金の取り立て屋な件
はじめに申し上げると、この記事はJASRACを批判するものではなく、むしろ、著作権者を守るための仕事ぶりを知ってもらうためのものです。 立て続けにJASRACの話題ですが、少し面白かったのでこっそり紹介したいと思います。
今年も新卒採用の季節がやってきました。新卒採用サイトを見ても、その会社の大事な部分はほとんど見えないと思っていましたが、JASRACのページを見て考えが変わりました。彼らの著作権使用料の徴収に対する姿勢や執念がビシビシと伝わってきます。
新卒採用2020|一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC
例えば、「先輩の声」というページに若手社員の1日のスケジュールが掲載されています。9:30から21:30まで働いている日のことを当然のごとく採用ページに載せてることにも少し驚きましたが、それよりも注目すべきはその仕事内容です。以下、その抜粋です。
- 店舗内でのBGM利用につき、契約を希望する経営者が来会。その場でライセンスを発行し、使用料を受領。
- 午前中アポイントを取った滞納店へ出向。その場で使用料を受領。
- 三宮駅周辺の約20店舗を訪問して、著作権手続きを説明。
- 宴会場等での音楽利用状況を確認し、現在の利用状況に合わせ、契約を見直す。
- 使用料の支払いが遅れているダンス教室に向かう。経営者と面談し、その場で支払いを受ける。
- 約20件の飲食店の契約交渉に向かう
契約を希望するものから徴収、滞納している店舗には自ら出向き徴収、未契約のお店にも出向き新規獲得も行う。まるで、借金の取り立て屋のようです(悪意のある表現ではなく、これを見たときの素直な感想です)。
JASRACは度々音楽業界の悪者として扱われる事が多いですが、ここで実際に働いている方々のことを知ると少し考えが変わるかもしれません。彼らの血の滲むような日々の努力によって権利者は、楽曲使用料を受け取ることができるのです。世間の風潮に流されて、何も知らずに批判するのではなく、中身を見て判断する人が増えればいいなと思います。また、近い内に使用料の徴収と分配に関する詳しい記事を書くつもりなので、そちらも参考にしてください。
ちなみに、中堅社員と管理職は19:00に業務を終えるスケジュールが載っていました。若手は必死に働けというメッセージもあるのでしょうか。
日本武道館のサイトの武道感がヤバい
日本武道館といえば、アーティストの憧れの代名詞です。ロックバンドからアイドルグループまで、武道館のステージに立つことを目標としている人たちはたくさんいます。
初ワンマンの代表例
2019年
2018年
- 米津玄師
- BRAHMAN
- Nulbarich
- amazarashi
- SUPER BEAVER
2017年
- Aimer
- BOYS AND MEN
- Little Glee Monster
- RIZE
2016年
キャリアを問わず、毎年名だたるアーティストが武道館でライブを行っています。
武道館で単独公演行ったアーティスト数と武道大会数(直近3年間)
年 | アーティスト数 | 武道の大会 |
---|---|---|
2018 | 79 | 31 |
2017 | 86 | 27 |
2016 | 76 | 31 |
※連続公演でない場合は、同じアーティストでも複数カウントしています。
1アーティストで2日以上(多ければ矢沢永吉のように5日間)連続でライブを行うことがほとんどなので、設営・リハーサルを含めると、1年のうち200日以上が音楽関連のイベントで使用されていることになります。
一方、武道の大会を見てみると、30前後しかありません。
武道館は何のための施設なのか
日本武道館の公式サイトの「日本武道館について」というページを見ると、
創建の目的 日本武道館創建の目的は、我が国伝統の武道を、国民とくに青少年の間に普及奨励し、武道による心身の錬磨を通 じて健全な育成を図り、民族の発展に寄与するとともに、広く世界の平和と福祉に貢献することにあります。 柔・剣道をはじめ各種武道の錬成大会の開催、優秀な指導者づくりのための研修会や講習会、古武道保存のための事業並びに外国人を対象とする国際セミナーなどを企画実施しています。
とあり、武道館は武道(や書道)のための施設であることが強調されています。 もちろん、大会の年間スケジュールも公表されています。
他方、公式サイトを見ても、いつ誰が武道館でライブを行っているのか一切わかりません。いわゆるイベントカレンダーのページがありません。 更に言えば、音楽イベントを開催できる会場である、ということすら疑うほどです。 その証拠に、トップページを見ても、「音楽」、「ライブ」、「コンサート」という単語は一切ありません。配色から写真まで、武道一色です。
少なく見積もっても、2/3以上は音楽のイベントに使われているはずの武道館の公式サイトには、ほぼ100%武道に関する情報しか載っていません。武道館関係者は、音楽イベントでの使用を快く思っていないのでしょうか...
私が見つけることができた、音楽の公演が行われている事がわかる唯一の記述が、Q&A(よくあるご質問)にあります。
Q.日本武道館で行われる音楽等の公演について、座席や開場時間などを確認したい。 A.公演の主催者へお問い合わせください。
【JASRAC】日本で最も聴かれた海外楽曲が納得すぎる
いきなりですが、クイズです。
2018年に、日本で最もよく聴かれた海外の楽曲は何でしょうか?
(答えは下にあります。)
JASRACが著作権管理にブロックチェーンを活用するというニュースが話題になっていたので、いろいろ調べていたら、全然関係ないけど面白いことを発見しました。
一応、簡単に説明すると、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)は国内外の楽曲の著作権を管理し、使用者からお金を徴収して権利者(=作詞・作曲者)に分配してくれる素晴らしい団体です。 作品が使用されるというのは、例えば次のようなことを指します。
- コンサートで演奏する
- カラオケで歌う
- テレビのBGMとして使用する
これ以外にも、音楽教室で練習のために演奏する場合も徴収の対象にする(2018年4月1日から、個人教室はいまのところ対象外)というのが話題になりました。
意外と勘違いしている人がいるかも知れませんが、「作品」というのは、CDなどに録音された音源を指すのではなく、作詞・作曲した楽曲自体を指します。 もう一つ注意ですが、作品ができたら自動的にJASRACが管理してくれるのではなく、申請が必要です。また、JASRAC以外にも管理団体は存在する(株式会社NexToneなど)ので、そちらに管理をお願いすることもできますし、自分で管理することもできます。自分で自分の作品を管理する場合は、使用者からすべて自分でお金を徴収する必要があり、とても面倒なことになります。JASRACはその面倒なことを代わりに、しかも”きっちり”やってくれます。なので、多くの作品がJASRACに管理されています。
そのJASRACは、毎年、JASRAC賞なるものを発表しています。JASRACが管理しているもの中から、その年の著作物使用料の分配額が多かった作品を表彰するものです。 つまり、このJASRAC賞を受賞した作品を見れば、その年に最も聴かれた曲がわかります。
JASRAC賞は3部門あって、簡単にいうと
- 日本で最も聴かれた日本の作品(金・銀・銅賞)
- 海外で最も聴かれた日本の作品(国際賞)
- 日本で最も聴かれた海外の作品(外国作品賞)
です。(ここでは、分配金が最も多いことを最も聴かれたと表現しています。) どのランキングを見ても、なかなか面白い発見があります。「日本で最も聴かれた海外の作品(外国作品賞)」に冒頭のクイズの答えがあります。
作品を明かしてしまうと面白くないので、曲名をふせたままランキング(外国作品賞)の推移を見てみましょう
年 | 順位 |
---|---|
2018 | 1 |
2017 | 1 |
2016 | 3 |
2015 | 2 |
2014 | 2 |
2013 | 5 |
ちなみに、2012年以前はトップ10にすらランクインしていません。話題になった曲でもなければ、新しい曲でもないですが、安定して高順位をキープしています。 言われてみれば確かによく聴くんですが(私の場合、平日はほぼ毎日かもしれない)、なんの曲でしょうか?
ヒント1
1967年に発売したシングル。4週連続全米1位の楽曲である。
ヒント2
原曲ではなく、日本人アーティストによるカバーがよく使用されている。
ヒント3
国内に2万店舗以上ある、大手チェーンの店舗やCMで使用されている。
正解
Daydream Believer -- The Monkees
セブンイレブンでよく耳にするのは、アメリカのバンド The Monkees の原曲 Daydream Believer ではなく、「THE TIMERS」による日本語詞カバーの方です。THE TIMERS(タイマーズ)版は忌野清志郎(によく似た人物、ZERRY)がボーカルを務め、1989年にリリースされた楽曲です。
これ以外にも、面白いものがたくさんあるので、ぜひJASRACの公式サイトを御覧ください。「大ヒットしたあの曲は当然1位だとしても、なぜこの曲がランクインしてるの?」など、いろいろ発見があると思います。